2-1 翻訳会社に於けるクラウド翻訳の活用術 ─ 選択と集中で収益を上げる ─

2015/01/16

金 春九 Kim Chungu

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株式会社ビーコス 代表取締役、JTF理事。1968年生まれ、1991年来日。立命館大学経営学卒。在学中に外国人の人材をプロモーションする飛魚インターナショナルを組織し2001年に法人化、代表取締役となる。166ヵ国のネットワークを活かし「外国語・外国人の総合商社」として160言語の翻訳・通訳サービスをはじめ、外国人人材派遣・紹介などを行っている。

報告者:赤間ゆみな

 


クラウド型翻訳の定義

クラウド型翻訳とは、インターネットを介して顧客と翻訳者を結ぶ翻訳サービスのこと。株式会社ビーコスは「外国人人材を日本社会に広めて活かし、日本を元気に」というミッションを掲げ様々な事業に取り組んでいるが、大手翻訳会社が希少言語の翻訳者を自前で調達するようになってきた近年、業界で勝ち抜くための次の戦略として辿り着いたのがクラウド型翻訳であった。

クラウド型翻訳のメリットとデメリット

クラウド型翻訳プロセスでは、翻訳作業だけを人の手で行い、問い合わせ対応、見積もり、発注などその他の作業はすべてシステムで自動化できる。これには下記のようなメリットとデメリットが考えられる。

メリット

・「速い」:プロセスのシステム化による時間の短縮
・「安い」:社員の人件費がほぼ不要
・「24時間対応」:社員不在でもシステムが対応
・「顧客が翻訳者を選び、翻訳者が仕事を選ぶ」:顧客と翻訳者のWin-winな関係を構築

デメリット

・「品質への不安」:コーディネーターのチェックが無いため不安
・「既存のサービスとの棲み分け」:収益のバランスを考慮する必要性

クラウド型翻訳の活用術

クラウド型翻訳を活用し、選択と集中を実現する。たとえば、
-納期や価格で想定外の要求をする顧客のニーズへの対応
-夜間や小規模案件への対応
このような場合にはクラウド型翻訳で安く、迅速に対応することで、社員の工数をお得意客様への対応に集中させる。

また、忙しいときにはシステムに工程の進行を任せ、後から社員の手でフォローをしたり、手配に工数をかけず、チェックを重点的に行ったりといったように、必要な業務に重点的に工数を割くことができる。

「優秀な翻訳者を皆で共有」し、より高品質な翻訳サービスを提供

コンセプトは「優秀な翻訳者を皆で100人共有しませんか」ということ。翻訳者を顔写真付きで公開し、皆でシェアして仕事を依頼する。顧客からの評価とコメントも残るので、次の顧客はその評価を見ながら翻訳者を選ぶことができる。結果、顧客からの評価が高い優秀な翻訳者への仕事量は安定的に多くなる。一般的に、コンスタントに仕事を出せる会社には翻訳者も高品質なアウトプットを出す傾向があるので、顧客は安定した高品質のサービスを享受できるようになる。これがクラウド型翻訳の良いところ。

38言語対応翻訳プロ(trans-Pro.)の特徴

trans-Pro.は株式会社ビーコスが翻訳会社にOEMで提供しているクラウド型翻訳サービス。現在15社の業務提携実績がある。希少言語で38言語対応できるのは日本では他にない特徴であり、登録翻訳者は9割が日本在住で、創業以来15年の付き合いがある方ばかりなので高品質なアウトプットが期待できる。

今後必要なのは、クラウド型翻訳を活用し、重点的に対応すべき顧客にリソースを集中してサービスの付加価値を高めていくこと。したがって、これまで競合だった企業にも、OEMとしてこの仕組みを提供し、是非一緒に利益を出していきたい。