第24回JTF翻訳祭

2015/01/16

中尾 勝(なかお まさる)
日本翻訳連盟 翻訳祭企画実行委員会委員長

 

1991年に産声をあげた翻訳祭は今年24回目を迎えた。
今年のテーマは「2020年へ 新翻訳時代の幕開け~Break The Paradigm, Shape The Future~」。2020年の東京オリンピックに向けて、翻訳業界は何ができるのか、あらたに何に着手しなければならないのか、そして既成概念を壊し、どういう未来ビジョンを描かなければならないのか、しっかりと考え抜く機会としたかった。

参加総数は882名。これに加えて登壇者約50名と翻訳祭をしっかりとささえてくれているボランティアが約80名、合計1000名を超える方たちが、落ち葉舞う中、アルカディア市ヶ谷に参集した。過去最多の入場者数を今年も更新。会場は1日熱気でつつまれた。

例年通り24のトラック、プレゼン・製品説明コーナーには6つのセッション。そして翻訳プラザには33社が集い、朝早くから多くの「出会い」が生まれた。
 
翻訳業界に従事する方たちが直面する問題にお答えするため、広範囲なテーマを用意した。

入場者ベスト5は、田中理事がパネラーで参加した「翻訳チェックする際の明快な指針を検討する」、渡邊理事モデレートによる「世界における翻訳業界の現在と未来」、ベテラン翻訳者4人によるパネルディスカッション「新米の上り坂、中堅の曲がり角」、井佐原AAMT理事モデレートによる「いまさら聞けない機械翻訳」、井口常務理事による「翻訳業界の現状と未来」。どれも120名定員を大幅にオーバーし、廊下まで人が溢れてしまった(座れなかった方たちにはたいへんご迷惑をおかけいたしました)。この他にも「翻訳・通訳のISO規格の最新動向」「スモール&クイック翻訳への取り組み」「新翻訳時代を作る品質管理イノベーション」といったトラックも100人を超えた。詳細はこの後のレポートを読んでいただきたいが、どのトラックも日々私たちが頭を悩ませている喫緊の課題ばかりだ。

トラック終了後の交流パーティーにはなんと360名の方が参加。
参加してくださったそれぞれの方たちが業務改善のヒントや解決策、また人脈やビジネスチャンスを持ち帰ってくださったのならば望外の喜びだ。アンケートによれば、個々のトラックの内容への満足度もかなり高かった。

2015年はいよいよ四半世紀の歴史の節目となる25回目。日本における翻訳祭の役割の重要性がさらにあがっていくであろう。

 


中尾勝 Nakao Masaru

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日本翻訳連盟 翻訳祭企画実行委員会委員長
 
1957年生まれ。新潮社Focus編集部にて、週刊誌記者として従事。87年ジャストシステム入社。出版部を一からたちあげ、出版部長としてコンピュータ雑誌・書籍の編集とマルチメディアタイトルを数多くプロデュース。フジテレビの『ポンキッキーズ』、米国DreamWorks社などと提携する大型プロジェクトを担当。1999年6月にDNA Media株式会社を創業し、代表取締役に就任。「世界文化の架け橋になる」を企業ミッションにローカライズ、コンテンツ制作事業に従事している。2012年(一社)日本翻訳連盟理事就任。