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イベント報告

2015/05/08

2014年度第4回JTF関西セミナー報告
すぐ試そう!あなたの時間がきっと増える。翻訳者のためのパソコン・マイクロソフトオフィス便利技20選♪


新田 順也


エヌ・アイ・ティー株式会社 代表取締役/ブログ「みんなのワードマクロ」管理人
大阪大学工学部環境工学科卒。カリフォルニア大学バークレー校工学部土木環境工学科修士。エンジニアリング会社と特許事務所を経て、2011年春に特許翻訳者・プログラマーとして独立。ブログ「みんなのワードマクロ」で400以上のWordマクロを公開。翻訳者、翻訳会社、社内翻訳部門向けにマクロ活用のセミナーやコンサルティングを実施。日経パソコンのPC Onlineにて「Wordマクロで仕事革命」を、アルクの翻訳・通訳のトビラにて「新田順也の使える『Wordマクロ塾』入門編」を連載。Microsoft MVPのWord部門を2011年から4年連続で受賞。Wordで動く翻訳チェックソフト「色deチェック」等のWord用アドインを多数公開。

 



2014年度第4回JTF関西セミナー報告
日時●2015年3月6日(金)14:00~17:00
場所大阪大学中之島センター
テーマ「すぐ試そう!あなたの時間がきっと増える。翻訳者のためのパソコン・マイクロソフトオフィス便利技20選♪」
講師新田順也(Nitta junya)(エヌ・アイ・ティー株式会社 代表取締役/ブログ「みんなのワードマクロ」管理人)
報告盛谷明美(フリーランス医薬翻訳者)

 



 進行係の近藤美樹氏から紹介を受け、新田氏がご登壇。
このセミナーは定員の100名が満席になる盛況で、参加者はフリーランス翻訳者が大多数、翻訳会社社員、学習者その他が各数名程度であった。

 当日はWindows 7以上、Office 2010以上を中心に、初期設定と、日々の作業で繰り返し使えるワザの2部構成で進められた。繰り返し作業の“仕組み化”には、Word機能について知り、繰り返しの対象を特定し、実行する必要、ということを念頭に講義が始まった。
 

第1部 初期設定方法

 一度設定しておけば、作業しやすいPC環境を作ることができる。たとえば拡張子の表示方法を変え、ファイルの種類が特定しやすくしたり、Wordの“おせっかい機能”(箇条書き番号の自動入力等)を停止させれば、入力通りの結果が得られる。おせっかい機能は57項目もあり、42項目がデフォルトでオンになっているので、これらを解除すればイライラから解放される。おせっかい機能は使い方によっては有り難いものもあるが、この設定はやっておきたいところだ。

 よく使う編集操作(例:選択範囲の文字列を赤字にする)にショートカットキー(例:[Alt] + [R])を割り当てれば、マウス操作を大幅に減らすことができる。編集操作のコマンドを知る必要があるが、選択画面での類推やインターネット検索ができるので大丈夫だ。また、テキスト形式での貼り付け、コメント削除などにもショートカットキーを割り当てておくと便利である。

 日本語入力システム(IME、ATOK)を速記ツールに活用すれば、単語や文章を素早く入力できるようになる。頻繁に使う表現を登録すれば、日々のメールが簡単に作成できるようになる(例:おへn→お返事をありがとうございます)。誤変換を防ぐための工夫等、経験に基づいたアドバイスがあり、参加者は熱心に聞いていた。辞書ファイルをDropboxなどのクラウドに保存すれば、パソコン間で同じ辞書を使うこともできるので、パソコン買い替えの度に作り直すという無駄も省け、導入すると非常に良いと思われた。初期設定だけでも、作業効率がぐんとアップしそうな内容であった。

第2部 操作編 もっと便利に使いこなす

 ファイル名を変更するショートカットキー[F2]を使えば、一発でファイル名を編集できる。[F2]は編集キーとして他の場面でも使え(例:Excelのセルの編集)、[ESC]で解除できるので、覚えておきたいキーだ。

 Windowsエクスプローラーでフォルダ間を移動するショートカットキーは、[Alt] + [←][→][↑]である(ウェブサイト内でも応用可)。これでファイルを探す時のマウスクリック操作が大幅に減る。さらにアプリ間やウェブサイト間の移動、タブを閉じる、サイト閲覧履歴を開く等のショートカットキーもご紹介頂いた。こうしたショートカットキーは各Office製品で応用でき、簡単なのでお勧めである。

 タスクバーのカスタマイズ方法として、「ピン留め」技法の紹介があった。スタートボタンからではなくタスクバーからアプリを一発で立ち上げることができる。有効スペースを拡張するためのアドバイスもあった。

 クイックアクセスツールバー(QAT)のカスタマイズ法の説明があった。QATとは画面上の「リボン」の左上に小さく乗っかっているバーのことだ。ここによく使うボタンを登録しておけば、編集操作のためのクリック回数が1回で済む。登録も極めて簡単で、ボタンを右クリックすればよい。QATを使えば大きな「リボン」が不要になるので、有効スペースが広がるというプラスのSide effectがある。Office製品で共通して使える。

 最近使ったファイルをカスタマイズする場合にも、「ピン留め」技法が応用できる。これで、日常よく使うファイルやフォルダを常時表示できるので、探す手間が省ける。Office製品に共通使用できる。Office 2013からはピン留めをパソコン間で同期可能とのことだ。
 1つのファイルを別ウィンドウで開く方法は、同じファイル内での文字列をコピー・貼り付けする時に便利である。これは翻訳者にも校正者にも使えるグッドな技だ。
 数字とアルファベットを全て半角にしたり色付けしたりすることも、[検索と置換]ダイアログボックスを応用すれば思いのままである。編集者やチェッカーに有効な方法だ。
 一度聞いておけば、日々の仕事の大幅な効率化に役立つはずである。参加者の中には、すでにこうした設定や操作を知った上でセミナーに出席している方もおられ、その学習意欲の高さがうかがわれた。

 配布資料以外にも、単語単位の選択、単語単位のカーソル移動、フォントの大きさを変える、上付き・下付き、パワポで位置調整…などなど様々なショートカットキーを教えて頂いた。もっと色々技を知りたいと思った参加者も多かったと思うが、時間切れとなった。参加者からは、数字と括弧を一気に検索できるのか、ワードマクロの探し方、カスタマイズの引っ越し法、といった様々な質問が出た。逆に参加者からアドバイスが出る場面もあった。Wordの技は奥深いようだ。最後に、48時間以内に復習すること、ゲーム感覚で体を使って覚えることの大切さを新田氏自身の体験を交えて語られた。
 
 最後に、JTF理事の石岡映子氏より挨拶があり、単価を上げることが厳しい状況で、翻訳者は生産性を上げることを考えるべきだ、1日30分の作業の効率化で年収に差が出る、エージェントもアプリが使える人、ITスキルがある人を求めているというお話があった。クライアントの複雑な文書に迅速に対応し、本来の仕事に力を注げるよう、PCスキルをしっかり身につけ、効率化を目指していきたいところである。

 本セミナーで新田氏はキーボード操作が見えるソフトを使用され、目でわかる画期的な説明法であった。ユーモアにあふれる解説を聞きながら、会場一杯の参加者はスクリーンに映しだされるキー操作を熱心に見つめていた。すぐに役立つ多くの技を短時間で効率よく教えて頂き、まさに冒頭で言われた「職場の誰かに自慢するネタ」ができ、有意義なセミナーであった。