翻訳ジャーナル編集委員 座談会

2014/01/10

翻訳ジャーナル編集委員 座談会

 

 齊藤、 矢能、 遠田、 河野、 矢野、 高橋

 
【テーマ】
・なぜジャーナル委員をやっているのですか?
・ジャーナル委員のようなボランティア活動についてどう考えていますか?
・自分のコーナーについてのポリシーは?
・自分の担当コーナーで特に印象に残っている記事は?
・今後はどんな企画をして行きたい?
 

遠田:   お三方がまず始められたんですよね。
高橋:   最初スタートはそうですね。まず経緯を説明しましょうか。河野さんが委員長をやっていて、だんだんネタが尽きてきたんですよ(笑)で、要は人を集めてそこからネタを拾おうと。ということで5人の委員を集めてそこから5つの企画を作ったんですよね。最初は私、テリーさん、遠田さん、松田さんと、あとウィップっていう翻訳会社にいた上田さんの5人で、自分達ができそうな分野の企画を作ったんですよね。で、上田さんは退職なさったので一年でお辞めになって、松田さんも抜けられて、その後に矢野さんと矢能さんが強力な助っ人として来てくださった感じですね。きっかけはそういうことなんですよね。遠田さんはなぜお引き受けになって続けられているんですか?
遠田:   それがですね、河野さんの戦略にはまりまして(笑)河野さんに言われた時は、私1年にいくつも企画つくるの無理だわと思って、ちょっと考えさせてくださいと。そしたら、「高橋さんがお引き受けくださいました」ってメールがきたんですよ。で、次は「松田さんがお引き受けくださいました」ってきたんです。
全員:   (笑)
遠田:   次また「齊藤さんが…」「上田さんが…」って来たんです!(笑)で、「え、私だけ残ったの?」って思って。しかも女性一人で私だけ断ったら女が廃るなぁと思ったので。
高橋:   そうか、最初女の人は一人だったんだね。
遠田:   そう、それで何のアイデアもなく引き受けたんです(笑)
高橋:   でもその割に持ちネタいっぱいあるよね。どんどん執筆者も決まっていったじゃないですか。
齊藤:   そうそう!コーナーごとに顔が全然違いましたからね。面白かったですよね。僕は何で始めたかというと、基本的に頼まれたら断らないことにしてるんですよ。そういうポリシーで今まで来ているので。よほどハードルが高くて自分にはできそうにないなと思わない限りは、とりあえずやってみることにしてるんです。そこから何か自分の生活に変化が生まれてくるかもしれないと思ったので、もう言われた時は「はい、はい!」の二つ返事で「やらせていただきます」と。
高橋:   すごい!いいなぁ!僕も話を聞いた時に即効でお引き受けしたんですけど、理由はJTFって個人翻訳者があんまり出てこない場だったので、個人翻訳者をどんどん紹介したかったから。お引き受けすると同時にもうテーマも決めてしまって、それで今でもやっています。
齊藤:   この5人って、その前の年の某忘年会の時にいた5人ですよね。
遠田:   そう、だからそこでつられたんですよ。それまでJTFジャーナルっていう存在も知らなかったし(笑)
全員:   (笑)
齊藤:   遠田さん…本当ですか…ショック(笑)
高橋:   でもこのコーナーを始めてから読者が広がったと思うんだよね。あちこちから見るようになったって言ってもらえたしね。矢能さんはどうなんですか?
矢能:   やはりJTFというと企業さんがメインの業界団体というイメージがあって、私はJATという翻訳者の協会にいるのですが、この5名の方のコラムが立ち上がって一年間、みんなでTwitterとかFacebookで盛り上がっているのがすごくうらやましかったのですよね。みなさんすごいなぁと思って。ちょうど2月だったと思うのですが、たまたま勉強会で集まることになっていて、松田さんと上田さんがコラムを3月末で抜けられると書いてあったので、「空きがでるのかなぁ」なんて思ったのですよね(笑)。そしたら、テリーさんが「JTFの編集委員やってみない?」って声をかけてくださって、勉強会では河野さんともちょうどお会いすることになっていたので、そこでOKをいただいたのです。
高橋:   ちゃんと根回しがあったんだね!
矢能:   でも河野さんにお会いする前日でしたよね、どう?って声をかけていただいたのが。ちょうど入稿が3月の頭だったのですよね、ゴールデンウィーク発行で。さすがに間に合わないかなとも思ったんですが、無理を承知でお願いしたところ、村井理子さんがバーンと2000字書いてくださって、一週間くらいで入稿できたのです。とても光栄に思っております。
高橋:   あの入稿の速さ驚きだよね。
矢能:   すごくびっくりしました。さすが!と思いました。
高橋:   でもまだ矢能さん、大統領(村井さん)にお会いしたことないんですよね。会いたいよね。
矢能:   お会いしたいですね。
高橋:   矢野さんはどうですか。
矢野:   きっかけは河野さんからFacebookのメッセージを頂いたことなんですけど、その時は、JTFジャーナル読んでなかったし(笑)とりあえず、こんなメッセージ頂きましたって上司に報告して、どんなんだろうって思ってそれから見だしたら、バックナンバーとかすっごくしっかり作られていて、すんごい人たち!と思って。だから絶対私なんか無理だと思いました。荷が重いっていうのが半分と、でもこれボランティアだからっていうのが半分で。河野さんもボランティアですし。PTAとか子供会とかそういうのってできない理由がなかったら持ち回りでやるものじゃないですか。頼まれたらやらなきゃいけないっていうのがあって。で、タイミングとかも去年だったら無理だったし、来年でも厳しい、今年1年だったらっていうタイミングがあったので…ボランティアだからやろうって思いました。ボランティアじゃなかったらちょっと無理無理って…なったような気がします。
高橋:   ボランティアじゃなかったらっていうのは、たとえば有償だったらってこと?
矢野:   有償だったら、もうとんでもないですって…もっとできる人いるでしょって。
遠田:   でもその発想あるよね。有償だと、それなりのアウトプットをしないといけないと思うと重荷だよね。
矢野:   うん、きっと私には無理だから他の方にお願いしますってなっていたと思うし、みんなボランティアだから、できる範囲でできる協力をすればいいのかなって思いました。絶対無理っていう気持ち半分と、でもボランティアだからっていう気持ち半分で、後者の気持ちが勝ったという感じですね。あとは遠田さんが、Skypeのメッセージで「お願いします」って書いてくださって、それが最後のひと押しになりました(笑)
遠田:   そうだったんですか!!まぁ…うれしいわ。
高橋:   意外と知らないことが出てくるね(笑)いやぁでも、嬉しかったよね、矢野さんが来てくれて。なかなかお会いできないからね。今まで一年に一回だったじゃん。
矢野:   そうですよね。
高橋:   じゃあ今ボランティアに関する話が矢野さんから出たから聞くけど、矢能さんはボランティアいっぱいやってるじゃないですか。どうですか?
矢能:   ボランティアをやることで本業の時間がかなりきつくはなるのですが、でもやはり矢野さんと同じで、私もPTAや子ども会のボランティアは今まで散々やってきて、持ち回りという気持ちはすごくありますね。やはり自分のことだけやっているとたかが知れているというか、自分の畑しか綺麗にはならない。私の力なんて微々たるものですけれども、ある程度この業界を少しでも改善するお手伝いができたらいいなと思って。あと10年20年この業界で食べていくことを考えたら、歳をとってから業界環境が厳しくなるとしんどいので、できる限りこの綺麗な海を保全するじゃないですけれども、何かできればと思いまして。私は、自分より年が上の方々が引退されていくのを見て、やはり師匠が亡くなったというのもあるのですが、継承していってほしいのですよね。そう思うと、私は中堅、年齢的にちょっとベテランっぽくなってきているかもしれませんが、もっと若い方々、駆け出しの方々まで継承される人間翻訳者の技みたいなものがあると思うので、業界環境をよく保つためにと思って、微力ながらにボランティアさせていただいています。
高橋:   綺麗な海って例えたりするのは、やっぱり土地柄?
矢能:   そうですね、やはり三浦ですので。海は綺麗に、ブルーオーシャンということで!
高橋:   今日の写真綺麗だったね!
矢能:   そうですね、やはり冬が近くなってくると綺麗ですね。
高橋:   すごい青空でよかったね。また行きたくなるな。
矢能:   また是非いらしてください。
高橋:   寒そうだよね。これからね。
矢能:   寒いです…
高橋:   じゃあテリーさんはどうですか?
齊藤:   ボランティアの話でしょ。…あんまり意識してやってないんですよね。基本的に自分が面白いと思わないとやらないので。
高橋:   それは大事だよね。
齊藤:   結局、自分がリソースを投入するので、何かしら自分の為にならないとやる気が出ないですよね。基本的にジャーナルの場合は、やはり矢能さんと同じような感じで、少しでも業界のテコ入れとかっていう大きな枠で考えているのもあるのと…、ジャーナルって見てない人も多いみたいだけど、僕は隠れてこっそり見てたんですよ(笑)。
高橋:   隠れなくてもいいのに!(笑)
齊藤:   結構やっぱり企業寄りなんですよね。読んでるとやっぱりそういうイメージがあって、個人翻訳者が記事を書いているものもものすごく固くて、井口耕二さんが書いてたりとか、そういうレベルの方たちなので、もうちょっとこう…一般的な方々の生の声を入れたら面白くなるんじゃないかとか思ったところもあったんですよ。だからそういうところを少し吸い上げて、…後で僕のコーナーのポリシーが出てくるんですけど、そういう人たちの声をなるべくジャーナルの誌面に表して、多くの人に見てもらうともう少しJTFのイメージも変わるだろうし、いつも企業、企業じゃなくて、やっぱり個人翻訳者さんなんだなっていうイメージに変わっていくんじゃないかなって思って、僕はこのJTFのジャーナルのボランティアをやっているんですけど…
高橋:   それ以外のボランティアについては何か…
齊藤:   何かあります?!…あぁ、Ustream放送なんかはもう明らかに目的が違っていて、僕が前「十人十色」で書いたように、翻訳者さんは日本中に…まぁ世界中にいるんですけど、その勉強会とかセミナーって絶対東京だの大阪だの、主要都市部でしか開催されなくて、じゃあ新潟に暮らしてる人はどうするの?とか、長野に暮らしてる人はどうするの?とか、彼らは絶対、よっぽど出資して年に一回とか心がけて行かない限りはそういう機会は持てない。そうするとどうしても情報格差が生まれるじゃないですか。そういうのをなくせないものかと。あとお子さんがいるから出掛けられないっていう声もたくさん聞くので、こういう人たちに同じような場を提供するためにはビデオであるとか、放送であるとか、そういう媒体を通して機会を提供できたらなっていうのが、僕がずーっと毎回思っていることなので。それの延長なんですよ、「十人十色」って。
高橋:   じゃあもう最初からUstreamとか録画とかありきで?
齊藤:   そう、だからいつもお願いしてますよ。「録画させてください。放送させてください」って。なしでもOKなんですけど、基本的にはあることを前提に僕は参加しているんです。自分に何かが返ってくるかっていったら、そういうのはなくて、ただ僕はみなさんのためにって、純粋な本当のボランティア精神。
高橋:   遠田さんは?
遠田:   そうですねぇ。他の皆さんは色々と積極的にやられてるんですけど、私はどちらかと言うと消極的な方なので、言われて引っ張り出してもらうとこうやってボランティアやって全然OK。ある意味しぶしぶ引き受けた編集委員も、やってみると面白い、やると自分にこういう力があったんだって分かって。だからボランティアしてるというよりは、場を与えて頂いている感じがしますね。だから、そういう意味では、場をいただいてよかったなぁって。
齊藤:   ボランティアって思ってませんよね。微塵も感じてませんよね。
高橋:   自分の中でなんなんだろう、ボランティアじゃなくて?
矢野:   大人の部活動?
全員:   (爆笑)大人の部活動!
齊藤:   いい表現だね!
遠田:   なるほどね~!
齊藤:   なんか自分でやってますもんね。別にそんな背負ったものもないし、楽しんでやってますもんね。確かに部活動ですね。
遠田:   ある意味、他に影響があったらやっぱりできないけど、他の仕事に影響がない限りはね、やっぱり楽しく…
齊藤:   俺、実生活より優先してるからね(笑)いかんな。
高橋:   してるね!(笑)このジャーナル以外でボランティアやってらっしゃいますか?
遠田:   トーストマスターズ (Toastmasters International)というスピーチクラブに私は入ってるんですけど、そこのvice presidentとか、それも完全にボランティアです。それで時間とられますけど、得られるものはあるので。…高橋さんはどうでしょう?
高橋:   かみさんに、いい加減あちこち出るのそろそろ控えたら?って言われますけど(笑)
齊藤:   わかるそれ!
遠田:   なんか飛び回ってません?日本全国。
高橋:   僕も基本的にテリーさんと同じで頼まれたことはよっぽどのことがない限り大抵引き受けちゃうんですよね。で、気づいてみたらとんでもないことになっちゃうんだけど(笑)、自分としてはやっぱりやれる範囲でしかやってないし、仕事は優先してるので…なんだろう、ボランティアっていうより皆さんと同じで好きだからやっているまさに部活動ですよね。あとは必ず自分で得るものがある。で、よくセミナーとかやるじゃないですか、サンフレアとか有料でやってるあれはお仕事だからいいんですけど、それ以外にどこかで喋っているとよく言われるんですよね、「こんなにノウハウを出しちゃっていいんですか?」って。度々聞かれるんですよ。でも僕その質問自体がすごく不思議で、なにそれって感じがして。持っているものを出すのはこっちは当たり前のことだと思っていて、だけどそれって全く無償の奉仕とかそういうつもりじゃなくって、やっててまずおもしろいし、必ず得るものがある、僕はボランティアってそういうものだと思っているので。だから、楽しくなければやめてるだろうし、得るものもなければやめてるだろうし。そんなところですよね。
矢能:   ボランティアですもんね、自主的にね。
高橋:   そうそうそう。
齊藤:   じゃあ、次は各コーナーに行きましょうか。ポリシー持ってる?
高橋:   これは僕スタートの時に言っちゃったんですけど、この編集委員体制が決まった時に即効で決めちゃったくらいで。要は個人翻訳者を引っ張り出したい。で、さっきテリーさんが言っていたのでそういえばと思ったんですけど、僕こういう紙面になる前、3~4年前に一回個人翻訳者としてJTFの記事は書いてるんですよね。だけどそういうのって単発だし、やっぱり記事の中で埋もれちゃうんですよね。でもこういう風に連載としてコーナーが続いていけば、個人翻訳者っていうのがちゃんとジャーナルの中でスペースを持って、それが今度JTFの中でもちゃんとある程度のポジションになっていくのかな。そういううふうにみんながどんどん広げていけばいいなぁ。あとは寄稿してくれた方が自分で宣伝とかPRに使えると思って。実際にそういう声も聞いたし。そういうわけで個人翻訳者のライフスタイルというコーナーをやっています。
齊藤:   最初からずっとそれでしたっけ?
高橋:   うん、ずっとそれ。一応なんとなく毎回テーマはあって、最初はベテラン3人のおじさんだったんだよね。で、そのあと色がなさすぎるなと思って女性3人にして(笑)、そのあと3回は関西の方にいって、今度は海外組にいこうかなって思ってるんだけど…ちょうどその矢先で今回休載になったんで。
齊藤:   すごいなぁ~
矢能:   もう決まってるんですか?
高橋:   決まってません(笑)。でも心づもりはありますけどね。でも面白いことに、今まで寄稿を依頼して断られたことないんですよ。
齊藤:   ないですね。
遠田:   私もないですね。それ、結構びっくりしました。
高橋:   みんななんだかんだ言って引き受けてくれるんだよね。
齊藤:   ちゃんと報酬の話までして、それでOKでしょ?
遠田:   そうそう。
高橋:   だからね、みんな書いてくれる気持ちはある、出したがってるものはあるんだよね、きっと。
齊藤:   たぶんね、ジャーナルの位置づけが変わってきたんですよね。
高橋:   うん、変わってきてると思う。
遠田:   躊躇する人は、「いや、私なんか」っていう躊躇なのね!「私の書いたものなんか価値ないじゃないですか」っていう。それを「そんなことない」ってencourageすると書いてくれる。
矢能:   今回すごくよかったなと思うのが、あなたのコラムのポリシーなぁに?って言われた時に、私結構ブレがちなんですよね。けど今回、改めて自分のポリシーは?って考えた時にちょっと柱が見えたかなって思ったんですよ。やはり出版翻訳、人間翻訳者、印刷に耐えられる出版クオリティー。「人間翻訳文 対 機械翻訳」といったら怒られてしまうかも知れませんが、10年後20年後30年後も残る文章を書いているであろう人間翻訳者の方にお手本を示していただく。「キャリアパス」、「後世への伝授」というのが柱にあるので、その「ロールモデル」と考えた時に、私のキャリアパスを考えた時のロールモデルでもあり、それを私が咀嚼して駆け出しの人に教えてあげられるものもあるかもしれない、というのがあります。
高橋:   自分のキャリアのために色んな情報を収集したいその一貫っていう感じではある?
矢能:   そうですね、私がお話を聞きたいという方にお話を聞いているというのはあります。
高橋:   基本そうですよね。
矢能:   そうですね。
高橋:   遠田さんは?
遠田:   私はやっぱり「こだわり」っていうことかな。誰かがいて、その人が本当に好きなもの、こだわっているものなんかをエッジを効かせて紹介したい。より高邁なポリシーは、要するに職業としての翻訳ではなくて、文化に翻訳が与える影響みたいなところまでいけたら私は最高と思っていて、そういう意味で自分にとって一番心に残っているシリーズっていうのがDavidsonさんが紹介した知里幸恵です。知里幸恵がアイヌとしてその詩歌を翻訳することによって、劣等民族と言われたアイヌの民族運動の支援になったわけじゃないですか。翻訳って何かを変える力があるってところを伝えたい。そういうことに関心のある人を探して書きたいなって思ってますね。
齊藤:   読み物としてすごく充実してますよね。遠田さんのコーナーって。
遠田:   ありがとうございます。まぁだからそれが最上位ポリシーで、なかなか難しいんだけど。
齊藤:   読み物でしょ。僕の方はどっちかというと日記帳みたいになってるから(笑)
高橋:   そんなことないと思うよ。
遠田:   いや、やっぱり色んなバラエティーがあっていいと思いますよ。
高橋:   そうなんだよね。何も5人で最初打ち合わせしたわけじゃないんだよね。で、新しいメンバーになってから打ち合わせしたわけじゃないけれども、僕のやってる普通のライフスタイルってところから、そうやって文化的に高いところまで結構色んなのがそろってることになってるよね、企画コーナーね。
矢能: 私、遠田さんのところに寄稿させて頂いたじゃないですか。はじめの原稿がやはりちょっと、OKが出なくて(笑)。全面的なリライトで、とてもご迷惑をおかけしたのですが、すみません。
遠田:   すっごく悪かったなと思ったんだけど・・・
矢能:   わかります、わかります!書き直してよかったと思います(笑)。でも今回も柴田耕太郎先生が書かれていますし、井口耕二さんも寄稿されていましたし、わたし、遠田さんのコーナーに書かせて頂いて本当にいいのだろうかとか悩んでしまいました。
遠田:   いやいやいや!
齊藤:   あれはよかったですよね。
高橋:   うん!
遠田:   よかったですよ!
矢能:   光栄です!ありがとうございます。
齊藤:   毎回毎回いいなぁと思う、遠田さんのコーナーって。
矢能:   いや、でも勉強になりました!原稿を出した時、Skypeで色々とやりとりをさせて頂いた時も、あ、OKがでてない、あ、ダメだ、書き直さなきゃ、と思って(笑)
全員:   (笑)
高橋:   時間があるからそれも聞いてみようか!リライトをお願いしてるかどうか、どういう方針でやってるか。
遠田:   高橋さんとテリーさんのお二人に聞いたら全然手を入れていないとおっしゃってたので・・・
高橋:   ほとんど入れてないです。
遠田:   それで私なんか、ちょっとやりすぎかな~って。
全員:   いやいやいやいや・・・!
高橋:   コーナーの特色だと思うね!
矢野:   遠田さんは毎回なんですか?毎回、ある程度直してもらってるんですか?
遠田:   いやいや!あのー、人によります(笑)
全員:   (爆笑)
遠田:   やばいやばい!(笑)今の無し!
齊藤:   遠田さんさりげなく・・・
遠田:   言っちゃうのよね。すいません、正直すぎるというか、気がまわらなすぎてすいません。
矢能:   言っていただいてよかったのですよ(笑)。いや、でもやはり自分の名前が出て自分の写真が出て、駄文だったら、業界的に恥をさらすことになるので、あの、OKがでなかったというのは愛だと思います。
遠田:   あ、そうそう・・・うん、これ出したら矢能さんによくないと思った(笑)。
全員:   (爆笑)
矢能:   いや、あの原稿は、テリーさんにも見せたらテリーさんも、なんかやっぱりちょっとむにゃむにゃっとした感じで「これダメかもしれない」と思って(笑)
高橋:   でも見てもらったんだね。
齊藤:   うん、そのダメ出しもね、こんなところでやらないで飲む時にやろう(笑)でも、コーナーごとにみなさんポリシー持って、書いて頂く方を変えてると思いますね。やっぱりコーナーの性質も違いますしね。うちのコーナーポリシーは一番最初の頃は、エージェントの人が、僕と上田さんの二人だけだったので、僕はとにかくそちらの立場でできることをやろうと思っていて、ふたつテーマを持ってたんですよ、その時は。僕と同じようなコーディネーターとかチェッカーみたいな立場の人に書いてもらいたいのと、本当の翻訳者さんの声を引き出すみたいな感じのもの、2つのテーマでやってたんですけど、どうも企業を相手にするとうまくいかない。
高橋:   一回懲りたんだよね。
遠田:   やっぱり本当のこと言えないから?
齊藤:   うーん、懲りたんですけど、やはり企業のフィルターをかけてしまうと、書面がきれい事になってしまうんですよ。そこがね、やっぱり思惑通りにいかなかったところ。とはいうものの、心に残ってる記事は実は青木さんの記事なんですけど、やっぱり、彼と僕って近いものの考え方をしていて、業界のことも考えてるし翻訳者のことも考えていて、それでいて企業側でコーディネーションをやっている立場だからすごく共感を持てたので、あれはやっぱり僕にとっては心に残ってるね。
矢野:   私もすごく覚えてます。
齊藤:   それがあって今年度に入ったんですけど、今年度はもう企業を相手にしない、すっぱり忘れる!もう僕はとにかく翻訳者の仕事だけを見てボランティアをやると決めたので。で、今年は全部、「この人にもっと人前に出てもらった方がいいんじゃないか」「この人に(JTFジャーナルを)営業ツールとして使ってもらったらいいんじゃないか?」って人に声をかけてる。で、さっきの修正の話あったんですけど、基本的に活字にしてみて、「ちょっとこれどうかな~」と思うのもあるんですけど、「、」の付ける位置とかね(笑)ま、それはそれでこの人のカラーかなと。間違いのところはやっぱり連絡をして、修正しましょう、これでいいですかっていう若干のやりとりはするんだけど、それ以外はやらないようにしてます。
高橋:   僕もその話しちゃうおうか、僕も同じで、書いた人が出したもの、点の打ち方まで、それがそのままその人の個性だから、明らかな間違いがない限りはそのままだすように僕はしてるのね。実際に上手い下手はすごくあるんだけど、それを含めていいんじゃん、こういうふうに出してもって。…で、コーナーカラー似ちゃわない?
齊藤:   今似てるよね。
高橋:   うん、どっちも個人翻訳者になっちゃってはいるよね。
齊藤:   だから来年度考えなきゃいけないなと思ってるんですよ。
高橋:   うーん、まぁどっちかか両方かがまたテーマ変えようかね。
齊藤:   (笑)そうですね、考えますよ、来年度はね。でも、なかなかいいターゲットになるエリアが見つからないんですよね。ちょっとね、来年はチェッカーを狙おうかと思ってるんですよ。でもチェッカーはまた企業のフィルターがかかって・・・。
高橋:   ねー、難しいよね。社内にいて自由に物言える人ってそういないからねー。
全員:   うーん。
齊藤:   来年はそんな感じでちょっと検討中ということです。
高橋:   じゃあ矢野さんは?
矢野:   ポリシーというかテーマは、私、ジャーナル委員会で出た案をそのまま聞かせていただいてて、バックナンバーとか今出てるものを読んだらやっぱり個人の話が多かったので、やっぱり自分は社内翻訳者なので、会社の人でフリーランスの人にはちょっと見えないとかできない点とかを語ってもらえたらいいのかなぁーって。あと社内にいたら、翻訳一筋じゃない人もいるから、そういう意見を語ってもらえたらいいのかなって。会社の中からしか見えない景色とかをみせてもらってます。
高橋:   うまくいってるよね、結構ね。
齊藤:   うん、うまくいってる。
矢野:   く、くるしい・・・(笑)
全員:   (笑)
齊藤:   でも書かれてる記事の内容をみると、よくこんなにしゃべってくれてるなぁって思いますよ。
高橋:   うん、今会社の話でたばっかりじゃない?よくね、みんな・・・
矢野:   うん、難しい・・・。個人的に難しいのは、やっぱり高橋さんも「営業ツールとしても使ってもらえる」って仰ってたんですけど、社内の人に対して書いてもらってもその人自身の営業にならないところがあるじゃないですか。この会社の一社員として自分をどっかに売り込みたいっていうのはないから、そこのモチベーションにはならなくて。自分のメリットはないけど人の為だけに書いてくださいって…で、且つ、この人にお願いしたらみんなの為になることを書いてくれそうっていうのを信じてお願いするわけですけど、結局それって私とその人の関係において、引き受けてもらえる関係がないと難しいので。やっぱり、だんだん厳しいんですよね。きっとこの人いいことを書いてくれそうって思っても、その人との関係が築けてないと断られたりとか・・・
齊藤:   僕、心配してるんですよ、だんだん引き出しがなくなってくるんじゃないかって。厳しいですよね、企業を相手にしていると。これから先、寄稿をお願いする相手が減ってくるっていうか。
矢野:   そういうこともあって、今年いっぱいでお願いしますって言ってたんですけど(笑)
齊藤:   そうなの?
矢野:   まぁ、それは河野さんにこないだ相談してたんですけど…。そういう意味で、私がお願い出来る人はもういませんって…
高橋:   じゃあさ、来年はさ、委員やらなくていいから毎回さ、矢野さんがなんか書いてよ。「北陸翻訳通信」とかいって。(笑)
全員:   (笑)
齊藤:   Good ideaだね、いいねぇ!アイデアマンだなぁ高橋さんは。
矢野:   その話は飲み会で・・・(笑)あとまぁ軽めのところいくと、私、割と2000文字にちょっとこだわっていて、PDFに載るあの2ページのボリュームで書いてもらうのに、なんとなくこだわっています。
遠田:   結構2000文字で終わるのもいいよねぇ。最近そう思うようになってきた。
全員:   うんうん。
矢能:   コンパクトでね!
高橋:   あれ最初から2000字ってなってたら、そういうカラーになってたと思う。
齊藤:   2001文字以降はそれぞれが書けばいいんじゃない?編集後記って。
全員:   (笑)
高橋:   でさ、今会社の人ターゲットにするっていうのでボーっと思いついたのがね、翻訳会社さんの中にいてBlogやってる人いるでしょ?それが翻訳会社のBlogとしてやってて、数人が持ち回ってやってるところ。例えばシーブレインがそうなのよ。あそこの一人か二人僕知ってるんだけど、たまにこういう集まり来るんですよ。ああいうBlog経由でコンタクトしてみると意外とやってくれるかもしれない。あと、会社勤務してるけど個人でBlogやってる人っていうのがいて、そういう人はちょっと難しいかな、会社のことを書いてもらうのは。会社としてのBlogやってる人はいいかもね。
矢野:   もう一つこだわっているのが、私がその人を知ってるってことで、この次お願いしてる方は実は直接は知らない方なんですけど・・・できれば、ちょっとBlogを読んでて書いてくれそうだからお願いするっていうのではお願いしたくないので・・・でも今後は違うかもしれないですね。
遠田:   でもやっぱり、人脈尽きたらやめるしかないのかなって(笑)
全員:   (笑)それはありますね!
高橋:   でも人脈はさ、年々広がってません?
齊藤:   まぁねぇ。一ヶ月に1人から10人くらいは増えますからね。
高橋:   人脈は心配してないんですけどね、僕は。僕は最初からそれがあったんだよね、ライフスタイルみたいなやりやすいテーマを先にとっちゃったから、あれは割といくらでも続けられるとは思ってる。まぁ2年やったら3年目は難しいよね。
齊藤:   いつまで(JTFジャーナル編集委員を)続けるんですか?
遠田:   ねぇ?(笑)
全員:   (爆笑)
齊藤:   みんな最初一年とか言ってたのにね。
遠田:   そうそう、私も3月かなーとは思ったんだけど、でもあと数人ちょっと書いて欲しいなぁーって思う人が見つかっちゃって。
齊藤:   あ、いいじゃないですか。
遠田:   いや、頼んでないけど。頼もうかなって言う人が。
矢野:   なんかそういう嬉しいこともあって。あの方どうしてるかなとか、つながりも用事もないんだけどまたお話したい人に、これを口実に連絡とれたりして。それは嬉しかったです。
全員:   うん。そうだね。
遠田:   そう、対人コミュニケーションという意味で、どっちかというと怖がりな方だけど、依頼したらみんな受けてくれるのがポジティブフィードバックになっていて、「しょうがないな!やらないとな、メール書かなきゃいけないな」と思いながら相手にコンタクトすると、良い反応してくれるのが嬉しいっていうのはありますね。
高橋:   今までで印象に残ってる記事ってどうしましょうか。矢野さんと矢能さんはまだ短いけど・・・
矢野:   そうなんですよ、私なんてまだ4人だからそれぞれ鮮明に・・・
高橋:   そうですよね、それぞれ印象が強いよね。
矢野:   それぞれ鮮明なんですけど、強いていうなら初回、自分の中で初めてのリリースはちょっと感動したし、お願いして2週間で原稿くださったので・・・
高橋:   あれ記事自体すごいインパクトあったよね。なんかさ、割と会社の人であそこまではっきり書いた人ってなかった気がするんで。あれはインパクトあったよ、実際。
高橋:   いい記事だったよ。
遠田:   あと、文が上手い人でしたよね。
高橋:   うまかった!
矢野:   それぞれ印象に残ってますし、鮮明に覚えてます。
高橋:   矢能さんは?
矢能:   私もそれぞれ印象にもちろん残っているのですが・・・そうだな・・・悩んじゃうな。私のコラムでは出版翻訳家の方が続いているのですが、二回目の方が編集者の方で、編集者の方が翻訳者に期待することという切り口で書いてくださったので、視点が変わって印象深かったな、と思うのですが、でもやはり、2月末にお願いして3月初旬に入稿してくださったあのスピードの村井理子さんの文章力にはやはり驚きました。印象深かったな。文章力、頑張らなきゃな、と思いました。
高橋:   文章力だよね。
矢能:   うん、文章力…国語力、ですかね。
高橋:   そう言う意味で翻訳者って絶対書く機会があったほうがいいと思うんだよね。自分で記事をね。テリーさんは?
齊藤:   青木さんの記事。
高橋:   そうだね、さっき言ってたね。
遠田:   高橋さんは?
高橋:   個性がありすぎるからね、やっぱり。どれも個性なんだよね。しいて言うと、くにしろさん(国枝史朗さん)が面白かったんだよね。
矢能:   うどん?
高橋:   うどん翻訳者さんのくにしろさんね。なんかね、経歴が全然違うの。全然翻訳者になるような人じゃなかったのよ。その経緯は新鮮でしたね。
矢能:   眼鏡屋さんでしたよね。
高橋:   そう、元々眼鏡屋さんで、体壊して辞めたのかな。それで、その時奥さんが翻訳やれば?って言ってくれて、じゃあ勉強してみようかって。
矢野:   私も印象に残ってます。
高橋:   ね。なんかちょっと他の人と違うよねってのは思った。
矢野:   遠田さん、言われましたっけ?
遠田:   言いました。二番目の。Deborah Davidsonさんが紹介した知里幸恵。
高橋:   あれはさ、JTFのジャーナルにこんな人まで載るんだって感動したもん。
遠田:   私すごく力入れてやったんです。
高橋:   正直言って、僕は大学で言語学のことちょっとだけやったから知っているけれども、普通には多分知らないでしょう?
遠田:   そう、私も知らなかったから…
高橋:   そういう人の名前が広まるのって嬉しかった。
遠田:   彼女の生涯に結構魅了されちゃって、よーし!って一生懸命やって、あれはちょっと時間かけました。
高橋:   翻訳者ってさ、多かれ少なかれそういうのがあってさ、前飲んだ時も河野さんが聖書翻訳をしたティンダルのことすごい熱く語ってて。あの、ティンダルっていう聖書を英語に翻訳した人のことを山岡さんが書いたの。それをふまえて、河野さん自身もすごいティンダルのことを研究したらしくて、そのことを30分くらいすごく熱く語ってた。そういうのってあるよね、どんな翻訳やっててもね。
遠田:   そうね。
高橋:   じゃあ、自分の企画じゃなくてJTFを今後どうしていこうかっていうのはある?
矢野:   読者を増やす。
矢能:   でも読者は増えてるんじゃないですか?
高橋:   わかんないね、まだね。
矢能:   でも、スマホでも見られるし、とても見やすくなって、バックナンバーも見れるようになったから、みんなすごく喜んでいますね。
全員:   うんうん。
齊藤:   来年度、何やろう?
高橋:   まだ知らない世界がある気がする。
矢能:   でもまた翻訳祭でたくさんの翻訳者の方々とあったら、インスピレーションがふってくるかもしれない。
遠田:   わたしはみなさんの知らない人を連れてくることを目標にしてます。
矢野:   なんかソーシャルとか、ブログも書かない人って…
齊藤:   すごいたくさんいますけど、そこにリーチする手段がないんですよ。それが悩みのひとつなんですよね。
矢野:   うん、でもそういう人のお話を聞いてみたい。
齊藤:   そうなんですよ!ほんと聞いてみたい。うーん…、来年こういうの、どうかな。高橋さんいって遠田さんいって松田さんいって、テリーのコーナーは先生シリーズ!先生ぐるーっとまわって。
遠田:   先生たくさんいるしね。
矢能:   知っている人ばかりがでてきても、つまらないですよ(笑)
高橋:   僕たちの知らない先生出してよ、紹介はいくらでもするから。
矢野:   でもそれテーマじゃなくないですかね?
遠田:   広告かと思われちゃう!笑
全員:   笑
遠田:   記事広告かと!
高橋:   後付けの理由をつくるんだよ、そういうときは(笑)
矢能:   翻訳教育?スポンサーがつくかもしれませんね(笑)
齊藤:   業界を底支えする翻訳教育の先生方のご意見を(笑)だめ?う~ん、…はい、ひとり決まりました!でも翻訳者だけでもだめだと思うんですよね~。
矢能:   翻訳者以外で…
齊藤:   全体見るとやっぱり、僕はいつもエージェントがキーだと思っていて、でも一番引っ張り出しにくいよね。記事を書いてもらうんじゃなくて、座談会みたいにしたらいいんじゃない?
遠田:   覆面?
齊藤:   覆面座談会!翻訳会社A社、B社、C社って並べて(笑)
高橋:   それで一回座談会やったら、何回かに分けて掲載してシリーズ化できるしね。
齊藤:   そういうスタイルもいいかなって思うんですけど?…大変ですかね。
遠田:   大変でしょう。

                                            ・・・・・来年度のコラムコーナーにご期待ください!