6-1 制作現場の一例と機械翻訳“深化”への期待:大西浩司氏(パナソニック株式会社)

2015/07/03

制作現場の一例と機械翻訳“深化”への期待

 

パナソニック株式会社 大西浩司氏

 

パナソニック株式会社でマニュアル、動画のコンテンツなどを担当している。 パナソニックでは、ITの力を使って言葉の壁をなくそうということで、2020年のオリンピックを目指してウェアラブル型のコミュニケーションツールを発表している。一方、ドキュメント発信の切り口では、様々な製品を取り扱っていることから、グローバルのドキュメント情報が多岐にわたる。
 
取扱説明書の製作と翻訳
マニュアルを製作する上で、わかりやすく(見やすい、読みやすい、調べやすい)、使いやすく(いつでもどこでも、かんたんに、使える)、役に立つ(問題を解決する)ことを念頭においている。会社全体としては、環境対応、ユニバーサルデザイン対応、世界同時立ち上げへの対応、世界レベルの表現の統一という四点を考えている。
取扱説明書がCDROMやウェブからの配信など、eマニュアルというペーパーレス化が加速している。製品内蔵型、ネット接続型、メディア型、見ながら操作型、イメージ伝達型、ガイダンス型など、様々なところに情報があり、情報の管理、その言語の管理が課題である。40言語以上に作ることがあり、多言語同時完成が必須になっており、まずは日本語から英語、あるいは最初から英語を起点に他の言語に訳すため、英語の品質がすべての品質の原点になっている。コストとしては、編集25%、翻訳35%、取材・原稿作成40%の割合になっており、日程は翻訳が30%を占めている。コミュニケーション、言語にかかるコストと時間が膨大である。 
 
グローバルメーカーの取説製作現場では何が課題?
まず、製品とマニュアルはほぼ同時に完成するため、マニュアル製作は仕様書と設計者のインタビューで決める。しかし製品の仕様はなかなか確定しないことから、できるだけマニュアル製作の着手は遅らせて短期間で行う。そのため翻訳に取り組める時間は短縮される。全世界同時に完成しないといけないことから、英語を起点に各国語に翻訳するため、英語に翻訳する期間は極めて短い。また、TM(Translation Memory)を活用するも、表現にばらつきがおこる。多様な商品群があり、全社統一の取り組みが難しい。
 
機械翻訳への期待
STEP1として、社内ニーズへの導入(グローバル社内紙、技術資料、社内論文)があげられる。
STEP2として、品質が向上すれば、現場で使うプロユースのサービスメンテナンスコンテンツや、更新のしやすいWEBコンテンツに導入できる。
STEP3に、分野をしぼって取扱説明書などの商品コンテンツに導入する。動作をともなう日本語の独特の表現のあるような調理本は難しいことから、カメラ、パソコンなどはデジタル商品などが向いている。
正しく伝えることは大事。
しかし、このことに工数をかけていられない。
なぜなら、正しく伝えることは“当たり前の品質”だから。
付加価値を生む情報デザインに時間をかけたい。
できれば、機械でできることはできるだけ任せたい。
用語の統一等、機械の方が得意なことがある。
 
機械翻訳に期待している!