6-2 YAMAHAからの多言語情報発信への期待:遠藤幸夫氏(ヤマハ株式会社)

2015/07/03

YAMAHAからの多言語情報発信への期待

 

ヤマハ株式会社 遠藤幸夫氏
 

 
YAMAHAにおける翻訳
ヤマハ楽器・音響開発本部マニュアル製作室では、電子楽器、ホームシアター、PA製品などの音響製品などのエンドユーザー向けのマニュアルの製作している。
1990年代に翻訳メモリが出はじめたが、ヤマハも昔から翻訳メモリを利用したワークフローに取り組んできた。そのため、英語から多言語の拡大(EUの公用語20言語など)に際しても、コストの増大をおさえることができた。これは英文の簡素化の努力もあるが、翻訳メモリを使ったおかげである。
その一方で、技術者は日本人でありドキュメントとしては日本語が出発点になることが多いため、日本語から英語への翻訳をスピーディーに行いたい。欧米の言語ほど、日本語からの翻訳がコストダウンできていない。過去の資産を有効に活用できていない。言語的な特性もあり、日本語の場合はコンテクストで補えるため、いざ翻訳する際に不足している情報を補う必要がある。翻訳メモリの例に、補足が必要かどうかの判断に手間取る。この判断のスピードアップを図れない
 
機械翻訳への期待
どの部署でもドキュメントを作成しており、機械翻訳で翻訳のスピードアップできたらと考えていた。大量のコーパスが必要だが、その条件付きであれば機械翻訳の精度があがると聞き、取り入れたいと考えている。機械では文法は分かるが、人間の文化、各業界に特化した流儀・文化は難しいため、大量のコーパスが必要なのだろう。様々なドキュメントのスタイルを覚えさせる、コーパスで統計的に分析することによって人間らしい、それぞれの業界らしい表現に翻訳することが可能なのだろう。この手法が標準化されることで、世の中全体において情報発信のスピードをあげるのに役に立つ。
 
ドキュメントの正確さ
ドキュメントは正確に伝わらなければ意味がない。翻訳のプロセス、機械翻訳の標準化も大事だが、もともとの日本語はちゃんと書けているのかという観点も大事である。
ウェブサイト上の機械翻訳はどんな原文に対しても絶対答えが出てくる。ドキュメントの心得がない人は、出てきた訳文をそのまま使ってしまうため危険である。人間なら、日本語の意味がよくわからないから英訳できないと判断できる。機械翻訳でもライティング支援ツールのような働きができるようにならないだろうか。これにより、翻訳されることを意識し、何が言いたいのか、という部分を明確にして文書を書けるようになるのではないだろうか。