2-4 拡大する東南アジアの翻訳市場

2014/01/10

NGUYEN MINH VIET (グエン・ミン・ヴィエト)

グリーンサン株式会社 会長
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報告者●山根信成(トランスパーフェクト・ジャパン合同会社)
 



本セッションではヴィエト氏の略歴から始まり、2010年を岐路として日本とASEAN諸国の市場変化や今後の動向、そしてヴィエト氏の経営するアジア言語を中心とする翻訳事業や今後の動向予測を伺った。
 
ベトナム出身のヴィエト氏は東京工業大学で学び、その後NTTデータを始めとするIT企業でソフトウェア業務に関わってきた。2005年に同社を設立し、ソフトウェア開発とアジア言語翻訳に注力しているベンダーである。ベトナム語をはじめとする東南アジア言語、日本語、英語間の翻訳実務で着実に事業を進めている。
 
2010年頃までは、東南アジアは日本企業から見て生産拠点あるいはODA支援先としての位置づけであった。2008年に日本・ASEAN包括的経済連携協定が締結されているが、翌年のリーマンショックにより世界経済は混とんとした状態が続くことになる。これに加え、2010年から尖閣諸島をめぐる日中の政治問題、2011年の東日本大地震が起こり日本を取り巻く状況も激動期に入ってきた。
 
チャイナ+1とも呼ばれる通り、反日活動の激化により中国への投資を控える動き、或いは他のアジア地域へのシフトが真剣に検討されるようになっている。
結果として日本とASEANの結びつきはますます強くなってきている。
 
この経緯の中で生産拠点としてのASEANが販売マーケットへと変容してきたのである。具体的には商品の販売マーケットだけでなく、観光市場、投資対象市場、また人材供給元にもなってきている。また、レアアースや石炭の資源供給元、農産物や各種原材料の仕入れ先としても重要度は高まっている。

翻訳案件から見た変化と今後の市場展望

2010年以前の翻訳案件を振り返ってみると各国の法律、作業マニュアル、セミナー資料、プロジェクトの入札に絡む提案、設計書などが多かった。
 
しかしながら、最近の大規模翻訳案件を考察すると、●市場調査 ●取引契約 ●法人設立関連 ●ユーザマニュアル ●インフラプロジェクト入札関連 ●観光案内・学校案内・会社案内・商品パンフレット ●個別企業情報・ニュースと以前と比べ範囲が膨らんでいる。
 
東南アジア全体でも、いわゆる「翻訳会社」や「翻訳業界」は未だに成長途上であることは事実である。そして日本企業が求める短納期、品質を維持している組織は少ないと言えるだろう。しかし、日本からの企業の活発な動きに加え、東南アジアを含む世界各国からの日本への観光客は増加している。2020年の東京オリンピックが決定したことも勘案すると、観光に関するパンフレット、ホームページ、スマホアプリの多言語化は様々なメディアの広がりと共にさらに進展してゆくだろう。
 
こうした状況の中で、グリーンサン株式会社は「翻訳」を通じて日本とベトナムを始めとする東南アジアの良きコーディネーターとして発展し、経済文化交流に役立つように活動してゆく所存です。
 

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