6-3 第1部: 翻訳業のイノベーション ~変化をチャンスに構造転換する創造力~

2016/01/15

米倉 誠一郎 Yonekura Seiichiro

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東京生まれ。一橋大学社会学部、経済学部卒業。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。ハーバード大学歴史学博士号取得(PhD.)1995年一橋大学商学部産業経営研究所教授、97年より同大学イノベーション研究センター教授。アーク都市塾塾長を経て、2009年より日本元気塾塾長。2012年~2014年はプレトリア大学GIBS日本研究センター所長を兼務。また、2001年より『一橋ビジネスレビュー』編集委員長を兼任している。イノベーションを核とした企業の経営戦略と発展プロセス、組織の史的研究を専門とし、多くの経営者から熱い支持を受けている。

報告者: 玉川 千絵子(フリーランス翻訳者)

 



第1部では、日本の経済不況の現状とその理由、アベノミクスが目指す未来の実態、日本が世界マーケットに進出するために必要なことについて語られた。

日本の今の財政状況は予算約96兆円、収入約54兆円、借金約1050兆円、GDP総額では中国に抜かれ、一人当たりGDPでは世界27位だ。日本はどのように稼ぐ力をつけたらよいか。米倉氏は、貿易収支は赤字で、現在の日本経済を支えているのは所得収支であり、最近の外国人観光客の増加で注目されるサービス収支も、観光客総数の世界ランキングでは2014年の時点でやっと22位に過ぎないと述べた。そして、日本に観光客が来ないのは、日本人が思っている観光客ニーズと、観光客が求めるものが違うからだと指摘。2020年のオリンピックを控え、少子化が進む中で外国人観光客に喜ばれるものを提供していくことが必要だと言う。

それでは現在私たちが進んでいる未来は本当に良い日本なのか。米倉氏は、水素カーやリニアモーターカーは便利だが、インフラのコストを考えれば、その分の予算を教育費などにあてることができると考えている。また、センサーエアコンの技術を開発すれば光熱費がかからない家をつくることもできる。そうした姿こそ日本に求められる未来の社会ではないかと語る。

最後に米倉氏は、ピンチをチャンスにし海外進出するにはやはりお家芸の「安くても良いもの」を、ロゴよりもブランドをつくる努力が必要だと説明した。