4-4 ASEAN市場の翻訳動向

2016/01/15

毛塚 智彦 Kezuka Tomohiko

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埼玉県東松山市生まれ。早稲田大学理工学部経営システム工学科を卒業し、東京でウェブマーケティング事業のサイトエンジン株式会社を設立。2010年にバンコクでユニモン株式会社を設立。東南アジア向け言語の翻訳・通訳事業を行う。2015年、インドネシアのジャカルタにてオフィスを開設。


グエン・ミン・ヴィエト Nguyen Minh Viet

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ベトナム・ハノイ生まれ。東京工業大学情報工学科卒業。在ベトナム日系大手ソフトウェア企業にてプロジェクトマネージャーとして勤務。2005年にグリーンサン・ソフトウェア社を設立し、日本向けソフトウェア開発事業を行う。2007年日本向け翻訳事業立ち上げ。2009年に日本向け東南アジア言語翻訳事業のグリーンサン・コンテンツ社設立。またAsoft社を買収し、ベトナム中小企業向けERPパッケージ事業を行う。

報告者:福永 詩乃(翻訳者)

 


 
このセッションでは、現場の知見を踏まえた掲題内容と、マーケティング上有益な情報が紹介された。

第一部:インバウンド観光のためのタイ語、インドネシア語翻訳

対応すべき言語は英語に限らない。訪日外国人観光客数、話者数と今後の人口予測に基づけば、中国語、韓国語、タイ語、ヒンディー語等も浮上。その言語でビジネス可能かどうかも要検討。

■多言語制作によくある間違い:非英語圏なのに英語で対応、フォントや改行位置の間違い(意味が変わる)、行間が狭すぎる、長文化、訴求ポイントのずれ(例:同じキャッチコピーでいいか?)等。翻訳とDTPの会社が別だと伝わらなくなることも。ネイティブの確認が必要。Googleには1言語しか読まれないため複数言語の併記は避け、URLを分けるべき。

■訪日観光情報サイトの経験
1.現地語でライティングしコスト削減
2.1言語1人はオフィスに出社しやり取りを迅速化。チェック担当が品質を保持。
3.言語別にウケる内容が違うため日本人が内容を決めない。規模によって体制を変え、チェック等を翻訳者や翻訳会社に外注。(機械翻訳の精度が低い言語もある)

■スマホ・ソーシャルメディア・口コミをおさえる。

■多言語化にあたり、まず重要な一部だけ翻訳して効果を見ながら増やすことも可。担当者の外注や、低予算(数十万円)から始めればよい。

■平均所得増、人口増による人口ピラミッドの高齢化等で今後も当該市場は伸びる見込み。英語に比べ多言語での情報量は不足。翻訳案件も増える。

 

第二部:ASEANの動向


■国交、賃金上昇等に影響を受け、日本企業は中国やタイからカンボジア、ミャンマー、ベトナムへ。翻訳案件は作業マニュアル等が多かったが、今後は販売拠点となりローカライゼーションやホームページ案件が増加。大規模化も。

■東南アジア各国の状況
-ベトナム:比較的日本語ができる。英→越Trados使用者増へ。日→越Trados使用者はグリーンサンのみ。
-ミャンマー:経済改革で注目。インフラやビジネススキルはまだ弱い。日本語翻訳者は不足、ツール対応も万全といえない。
-カンボジア:歴史的にNGO関係の翻訳が多い。英語からの翻訳が多く、日本語の翻訳・翻訳者は少ない。
-ラオス:製造業はほぼない。ゆったりした国民性。日本語人口は極端に少ない。
-タイ、インドネシア:人件費上昇。所得増でエンタメ、マーケティング案件増。タイ語は日本語翻訳者が極端に少なく、日→タイのTrados翻訳者はいない。インドネシア語は英語からの翻訳者が多い。

■東南アジア言語翻訳を必要とするお客様
公官庁、商社、メーカー、市場調査会社、弁護士事務所、出版社、学校等

■リソース確保
費用、品質、レスポンスのバランスが必要。グリーンサンは日本向けの現地翻訳会社で、費用は中程度、高品質で迅速な対応が可能。同社ではDTP、HTMLコーディングも行う。元ソフトウェア会社で、Trados等全ソフトウェア・ファイル媒体に対応。