記事一覧

三宅理恵のMultiLingual紹介vol.6

三宅理恵のMultiLingual紹介vol.6翻訳センター 三宅理恵 MultiLingual 2015 October/November Issue地域特集:「中国」より 以前お約束したとおり、新たな地域特集が出ましたので取り上げます。これまで、西部ヨーロッパ、アジア、中東欧、と紹介してきました。今回は、「中国」特集です。ご紹介するのは、アジア圏に十年以上住んでいたという筆者の、中国への(そして恐らくアジアへの)理解と愛情にあふれた記事です。 西への旅―西△遊▽△記▽Journey to the West - 西△遊▽△記▽Jacob Stempniewicz 【おすすめポイント】文章が短くて大変読みやすく、明瞭です。ポイントがすいすい頭に入ってくるような原文でした。筆者のプロジェクトの様子を一緒に見るという視点も、読み手を飽きさせません。西遊記に巧みにふれながら、中国語と英語の間の翻訳のむずかしさ、そし...

三宅理恵のMultiLingual紹介vol.5

三宅理恵のMultiLingual紹介 vol. 5 翻訳センター 三宅理恵皆様こんにちは。2016年最初の号となりました。今年も、JTFジャーナルおよびMultiLingual紹介コラムをよろしくお願い致します。今回は、2015年9月号の特集”Medical”(医療)の中から、コミュニティ通訳についての記事を取り上げてご紹介したいと思います。 翻訳から少々離れた内容になりますが、コミュニティ通訳は、これからの日本でも必要とされる、重要な領域だと思います。日本に居住する外国の方が増えていく中で、必要とされる領域です。 筆者は記事の中で、様々な通訳関係者による言葉を紹介しています。それが、この記事の素晴らしさであるとともに、自らの経験や、他の同じような仕事をしている人々の考えを知りながら記事を書くことが大切であるという、MultiLingualの様々な記事をこれまで読みなが...

三宅理恵のMultiLingual紹介vol.4

三宅理恵のMultiLingual紹介vol.4特集「スペイン語」(MulgiLingual2015年7/8月号) 株式会社 翻訳センター三宅 理恵 今回ご紹介するのは、MultiLingualの2015 July/August Issueより、「スペイン語特集」からの記事です。スペイン語特集については、実に多様な記事が集まっていることが、最初の驚きでした。世界的にも有名なアメリカおよびラテンアメリカにおけるスペイン語についての記事がそれぞれ(別個に)あり、同じスペイン語でも話されている地域によってユーザへの戦略を変えましょうという記事、そしてスペイン語の多様性や翻訳についての記事が複数あります。いかにスペイン語とスペイン語を話す人々・その文化と社会についての関心が高いかを示しているようです。 スペイン語は、日本の大学生や一般の人々の中で学習者の割合が多い言語ではないかもしれませんが、スペインの...

三宅理恵のMultiLingual紹介vol.3

三宅理恵のMultiLingual紹介vol.3特集「ゲーム」(MultiLingual2015年6月号) 株式会社 翻訳センター三宅 理恵  今回取り上げるのは、MultiLingual 2015年6月号の「ゲーム」特集の記事です(ちょうど一年ぶりのテーマです)。 昨年のMultiLingual6月号のゲーム特集の紹介では、ゲームについての技術的な内容などにも興味をひかれたものの、翻訳会社としての品質管理についての素晴らしい記事がありそちらを取り上げました。昨年の記事はこちら 今年のMultiLingual 6月号の特集も、翻訳について参考になる記事とゲームについてよく分かる記事の両方から構成されていました。今回は、(特集の名前がゲームということもあり)ゲームという切り口で翻訳について考えるというよりも、ゲームそのものについて思い切り論じている記事をご紹介します。 個人的にも、年齢や個人の特性...

三宅理恵のMultiLingual紹介vol.2

三宅理恵のMultiLingual紹介 株式会社 翻訳センター三宅 理恵  タイトルを改めて二回目となる今回は、MultiLingual2015年3月号の中東欧(Central and Eastern Europe, CEE)特集からの記事をひとつ取り上げてご紹介したいと思います。 以前、西部ヨーロッパ、アジアの特集記事をご紹介しました。 数号に1つという新たなご紹介スタイルでも、世界の各地域について平等に、万遍なくご紹介するため、今後、「地域特集」は欠かさず取り上げることをお約束いたします。 ビジネスや技術のような翻訳業界全体に関わるものと、各地域や言語の特徴にふれるものをバランスよくお伝えしていくことができれば、MultiLingualのよさを活かすことができるのではないかと思っております。 <ピックアップ記事>(MultiLingual2015年3月号)ブルガリア語翻訳の認識と現実(Perc...

三宅理恵のMultiLingual紹介vol.1

三宅理恵のMultiLingual紹介 株式会社翻訳センター三宅理恵 <今後の当コラムについて> 毎号、皆様に「MultiLingualの記事の紹介」と題して、MultiLingualの各号から記事をピックアップしてお伝えしておりますが、一号ずつでは、MultiLingualの発行のスピードに追い付きません(皆様もお気づきのとおりです)。そこで、河野編集長のアイディアで、毎回、MultiLingual2~3号の中から印象的な記事をご紹介していくスタイルに変更することになりました。全ての号のご紹介ができないことから、タイトルも、「MultiLingualの記事の紹介」から、「三宅理恵のMultiLingual紹介」とさせていただきます(こちらも編集長のアイディアです)。ご紹介のスタイルが少々変わってしまうことになりますが、より内容の濃い充実したご紹介ができるように努めます。今後とも、Mult...

MultiLingual 2014年10/11月号の記事

MultiLingual 2014年10/11月号の記事 株式会社翻訳センター 三宅理恵  今回のテーマは、”Better World”(よりよい世界)です。あわせて、Core Focusとして、ローカライゼーションが取り上げられています。 毎回、様々な特集を組んでいるMultiLingualですが、今回のテーマはあまりにも重要なものです。執筆者の勝手な判断で、今回は、特集「よりよい世界」にしぼり、可能な限り皆さんと共有し、言葉についてともに考える機会とさせていただきたいと思います。編集長のKatie Botkinさんや、ローカライゼーションについての記事を執筆された方々には申し訳ないことをしていますが、このような方法をとらなければつたわらない内容があるような気がしています。どうか勝手な判断・書きぶりをご容赦ください。  本特集では、言葉と人間、社会について考察する3つの記...

MultiLingual 2014年9月号の記事

MultiLingual 9月号の記事 株式会社翻訳センター 三宅理恵  今月号の特集は、医療(原文:medical)です。 医療といいますと、非常に流動性のある広い概念で、さまざまなとらえ方がなされますが、本特集でも、メディカル翻訳にとどまらず、ヘルスケアのためのデータ活用など、あらゆる読者に関係のある、幅広い内容が紹介されています。 それでは最初に、ピックアップ記事以外のものについての概要をご紹介します。 ・メディカル翻訳のプロセス、とりわけローカライゼーションの成熟についてのモデル(ローカライゼーション成熟モデル;LMM)にふれた記事(Rebecca Ray氏)は、いかに市場に適応するかという視点を示しているところが非常に優れています。・翻訳プロセスの発展についての記事は、言語サービス産業での経験の長い筆者(Gráinne Maycock)の、非常に具体的でビジネスセンスに満...

MultiLingual 2014年7/8月号の記事

MultiLingual 7/8月号の記事 株式会社翻訳センター 三宅理恵  今回の特集は、「アジア」です。アジアの一員である日本の皆さんにとっては見逃せない特集です。また、翻訳に携わっている中国や韓国の方も、日本語がお分かりの欧米の方もこの記事を読んでいらっしゃるかもしれません。 アジア特集には、具体的には、中国、韓国、東南アジアに関する記事とともに、ワードカウントの問題に関する記事等が掲載されています。 最初に、毎月のように、ピックアップをする記事以外の記事について簡単にご紹介したいと思います。・中国のローカライゼーションに関する記事は、中国に限定されているものの、ローカライゼーションおよび翻訳、ひいては通訳に至るまで、言語産業や教育の歴史に幅広く触れています。この記事には、JTFジャーナルの今月号のテーマである通訳者・翻訳者の養成にも最も直結する内容が含まれています。・韓国語のローカ...

MultiLingual 2014年6月号の記事

MultiLingual6月号の記事 (株)翻訳センター 三宅理恵 6月号の特集は、ゲーム翻訳です。ゲームのローカライゼーションについて、初歩の初歩を非常に分かりやすく、易しく解説してくれている記事。ゲームと映画に類似性を見出している、非常に技術的な記事。そしてゲームの開発にクラウドを用いることについて、クラウドの言葉の成り立ちから丁寧にひもといている記事。すべての記事が、ゲーム翻訳に携わっている人やゲーム自体のファンの人(プレイヤー)はもちろん、そうでない人にとっても、ゲームについて様々なイメージを想起させられる内容となっています。誰もが、何らかのゲームをイメージできるのは、不思議なことで、それは、ゲームが私たちの周りの至るところに展開されているうえに、人のふだんの感覚にフィットする自然さや、様々な人の好みのどれかに合致する多様さがあるからかもしれません。また、翻訳という見方をすると、扱...

MultiLingual 2014年4/5月号の記事

MultiLingual 4/5月号の記事 (株)翻訳センター 三宅理恵  本号は、特集:翻訳の産業的側面(Industry Focus)(新興国市場)と、特集:翻訳の核心的課題(Core Focus)(翻訳技術)の二本だてとなっています。 特集その1:翻訳の産業的側面(新興国市場) 本特集には、新興国市場のローカライゼーション、カナダの言語、そしてブラジルのローカライゼーションという3つの記事が掲載されていました。カナダの言語についての記事が、実はあまり知られていないカナダという国について考えるきっかけを与えてくれ、特に、先住民族の言語の扱いについて説明しているところが貴重だと感じ、今回紹介したいと思いました。 なお、ブラジルのローカライゼーションの記事も、FIFAワールドカップを話題にするなど、時事的な意味でも目を引くものです。ローカライゼーションの視点から新興国市場について考察した記事は、...

MultiLingual誌の記事の紹介を始めます

MultiLingual誌の記事の紹介 翻訳センター 三宅理恵  MultiLingualという、世界の翻訳の最先端を取り上げている雑誌があります。このMultiLingualの編集長のKatie Botkinさんが、JTFジャーナルにMultiLingualの紹介記事を掲載することを快く認めてくださいました。特別に、記事の試読ができるコードも、Katieさんのご厚意により、スタッフの方からご提供いただきました。この機会にぜひ、MultiLingualを読んでみてください。MultiLingualのウェブページはこちらになります:http://www.multilingual.com/  試読の方法:  www.multilingual.com/subscribe  にアクセスし、ページ中央のSubscribe linkをクリックしていただきます。  “di...

【新情報】バックナンバーの記事詳細について

「バックナンバーの記事詳細について」 翻訳センター 三宅理恵 読者の皆様へ いつもお読みいただきありがとうございます。毎号、MultiLingual誌の特集記事からピックアップした記事をご紹介しています。 このたび、情報をより充実すべく、過去の数号について、特集記事のすべてをまとめた内容を追加掲載させていただくことになりました。(執筆者の作業の都合により、順次アップとなります)執筆者が一時期、業務の傍らで書き溜め社内で共有したものを、本ジャーナル向けに編集した内容です。社内にとどまらず、翻訳者、翻訳業界の方々をはじめ多くの人々にMultiLingualの記事の内容を広く共有したいという、河野編集長の希望により実現いたしました。(現在は、JTFジャーナルのみへの執筆をしているため、バックナンバーのみとなります。) 時間の制約、および執筆者のジャンルによる習熟度の差などが原因で、内容の長短や深さに大...

バックナンバーvol.1 2014年1-2月号「クラウド技術」

★2014年1/2月号の特集「クラウド技術」の各記事★1. 人の力による、機械のスピードでの翻訳 (People-powered translation at machine speed)★2. 字幕翻訳における機械翻訳と、ポストエディターの存在意義の向上 (MT in subtitling and the rising profile of the post-editor)★3. Let’sMT!を使用した機械翻訳(統計的機械翻訳(SMT))の教育 (Using Let’sMT! to teach about SMT)★4. クラウド翻訳プロセス、現状と将来 (Cloud translation process, current and future)★5. クラウド内でのMTの生産性の改善 (Improving MT productivity within the cloud)★6. 使用の状況に応じた適切な機械翻訳のタイプの選択...

2014年1/2月号の特集「クラウド技術」の各記事

2014年1/2月号の特集「クラウド技術」の各記事 翻訳センター 三宅理恵 2014年1/2月号の特集はクラウド技術(cloud technology)です。クラウドはもちろん、機械翻訳についての記事もあります。とりわけ、機械翻訳については、エンジンの比較、翻訳者がポストエディタになるということ、といった非常に具体的で興味深いものが並んでいます。機械翻訳は、翻訳会社のみならず翻訳者さんにとっても無視のできないものとなりつつあるようです。昨年11月に開催されたJTF翻訳祭でも、クラウドはもちろんのこと、機械翻訳に関連したセッションが複数みられました。ご紹介内容の分量はとても少ないですが、初心者の方の入門には、むしろちょうどよいかもしれません。ぜひ、皆様にご一読いただき、ご興味のある内容については、試読等でバックナンバーの原文にあたっていただくことをおすすめいたします。

1. 人の力による、機械のスピードでの翻訳 (People-powered translation at machine speed)

1. 人の力による、機械のスピードでの翻訳(People-powered translation at machine speed)Jessica Roland(原文21~23ページ) まとめ作成: 三宅理恵 ★最初にクラウド翻訳により、迅速に大量に世界中と翻訳を共有できるようになった。クラウド(cloud)における、大衆(crowd)による翻訳の素晴らしい例として、Wikipedia (community translation)があげられる。クラウド翻訳の多くは、ボランティア翻訳者(Translators without Borders)によって支えられている。クラウドのもうひとつの例:Facebook★翻訳会社の類型営利追求型企業(for-profit companies)は、機械翻訳(MT)の翻訳会社か、伝統的な翻訳を扱う会社かに分けられる。①語調が統一されている長くて予測可能な文書に機械翻訳はぴっ...

2. 字幕翻訳における機械翻訳と、ポストエディターの存在意義の向上 (MT in subtitling and the rising profile of the post-editor)

2. 字幕翻訳における機械翻訳と、ポストエディターの存在意義の向上(MT in subtitling and the rising profile of the post-editor) Panayota Georgakopoulou and Lindsay Bywood(原文24~28ページ) まとめ作成: 三宅理恵 『字幕翻訳会社も、フリーランスの字幕翻訳者(subtitlers)も、よりコストの少ない方法でより高品質の仕事をする方法を探さざるを得ない。このために、新しいツールを開発しようと、多くの資金が費やされている。』 ★コミュニケーション・時代と翻訳のあり方の変遷文化、国、タイムゾーンを超えて誰とでもコミュニケーションをとることができるようになった。グローバリゼーションと、オンラインでコンテンツを取得できるようになったことにより、翻訳の需要が増加し、あわせて、翻訳の地位が変化した。1990年代は贅沢&rarr...

3. Let’sMT!を使用した機械翻訳(統計的機械翻訳(SMT))の教育 (Using Let’sMT! to teach about SMT)

3. Let’sMT!を使用した機械翻訳(統計的機械翻訳(SMT))の教育(Using Let’sMT! to teach about SMT) Hanne Fersøe, Dorte Haltrup Hansen, Lene Offersgaard, Sussi Olsen and Claus Povlsen(原文30~33ページ) まとめ作成: 三宅理恵 ★取組み内容コペンハーゲン大学での事例。Let’sMT!を授業にとりいれ、学生にとって学習の向上に役に立つかというテストも行っている。学生たちは、Let’sMT!が授業中にラップトップコンピュータ上でアクセスすることができるものなので喜んでいる。学部と大学院前期課程の学生の両方に、機械翻訳を教えるクラスで、小規模のLet’sMT!モジュールを導入して使用させてみた。学生たちの学習を向上させる方法...

4. クラウド翻訳プロセス、現状と将来 (Cloud translation process, current and future)

4. クラウド翻訳プロセス、現状と将来(Cloud translation process, current and future) Andrzej Zydroń(原文34~37ページ) まとめ作成: 三宅理恵 「クラウドは、ローカライゼーションにとっては自然な環境である。というのは、翻訳は、もともと、プロジェクトマネージャ、翻訳者、校閲者、そして修正者(translators, reviewers and correctors)を伴う、協働プロセスだからである。」 クラウドの特徴としては、大きな初期費用がかからないことがあげられる。 クラウド翻訳のプロセスは、完全に自動化された環境を提供する。すなわち、翻訳、校閲(review)、修正(correction)を除く手動の段階をすべて、効率的に取り除く。<解説> クラウド翻訳のメリットが、作業をイメージしやすいように分かりやすく説明されている。実際に翻訳作業の...

5. クラウド内でのMTの生産性の改善 (Improving MT productivity within the cloud)

5. クラウド内でのMTの生産性の改善(Improving MT productivity within the cloud)Anna Rubina(原文38~40ページ) まとめ作成: 三宅理恵 『機械翻訳の翻訳プロセスへの統合は増加している。翻訳者と顧客の両方に、機械翻訳技術が有益であることを示すことが課題になっている。』 ★機械翻訳の比較実験 筆者は、所属している会社で、6つの機械翻訳エンジンで英露訳の性能を比較する実験を行った。対象としたエンジンは、AsiaOnline、Bing、 Microsoft Translator Hub、Google、ProMT、そして筆者の会社が所有するABBYY MTである。 4つの分野(IT、石油とガス、法律、エネルギー)について、それぞれの機械翻訳エンジンで翻訳を出力し、ポストエディットし、ポストエディットにかかった時間を、同じ文書を機械翻訳の助けを借りずに人が翻訳す...